ドクター2
~その頃カンナは。
要くん、意識が戻ったって聞いたけど、大丈夫かな・・・・・・。
部屋にいても辛くなるだけだから、
来ちゃった・・・・・・。
雨には少し打たれたけど、ここなら直接当たらない。
そう。カンナは実加の言うとおり、秘密基地に来ていた。
ただ、来たときよりも雨の音が強くなってきた。
もうかれこれ3時間近くここにいる。
寒さ予防にと、ジャンパーは着てきたから、大丈夫なんだけど、
雨がちょっと・・・・・・。
ん?
カンナがお尻の濡れているのに気づいた。
あれ?
と立ち上がると、基地の底に向かって、上から雨が流れて地面を流れていた。
カンナはその流れを見ると、すぐに崖を登らないとと思い、
慌てて崖に脚をかけた。
ズルッ
うまく登れない。
要くんを背負っていたときも、何度か失敗した。
でもあの時は、要くんがいたから。
今は一人なのに、うまくのぼれない。
何度もチャレンジする。
昨日怪我していた傷を、そのままにしていた上、さらに擦りむいて痛い。
両脚から大量の血が流れるけど、今はそんなことを言ってる場合ではなかった。
ドンッ!
鈍い音がすると同時に、カンナは強く頭をぶつけて地面に転がり落ちた。
「痛い・・・・・・。」
立ち上がらないと、どんどん水が溜まっていくのは分かるけど、どうしても体を起こせない。
どうしよう・・・・・・。
私、このまま死んじゃうのかな。
要くんは、こんなに怖い思いをしたんだね。
私に罰が当たったんだ・・・・・・。