ドクター2
~あれから一ヶ月半が経った
すでに要くんは退院していた。
カンナは遅れて退院することになった。
「カンナちゃん、くれぐれも激しい運動はしないようにね。
必ず、おうちでも吸入をして、検診にも来るんだよ。」
青木先生がカンナに言う。
「は~い。」
「こら、カンナ、ちゃんと聞きなさい。」
生返事をしているカンナを実が叱る。
「どの子よりも、カンナちゃんが一番心配。
斉藤先生、よろしくお願いします。」
「本当にお世話になりました。」
実とカンナは頭を下げて、病院を後にした。
車に乗ったカンナは、ウキウキだった。
「ねぇ、パパ?
帰ったらママたちがご馳走作ってるんだよね?」
「そうだよ。
だから帰るまで、大人しくしてろよ。」
「はぁい。」
「ほんとに分かってるのか。はぁ。」
実はやれやれという顔でカンナを見ると、再び前を見て、車を走らせた。