ドクター2
「ちょっと、カンナー!!待ちなさいっ!!」
朝の朝食を終えたカンナは、母親の実加に捕まらないように、素早くクリニックに走っていく。
「どうした、実加。」
クリニックと自宅との扉を開けた実が、騒がしい二人の様子を扉を開けてみた瞬間、カンナは診察室に飛び込んだ。
「カンナ、勝手にクリニックに入ってくるんじゃない。」
「だってママが追っかけて来るんだもん。」
「はあはぁはぁ。」
呼吸を落ち着かせた後、
「カンナ!その服はお出かけ用なんだから、こっちにしなさい!」
「やだよ。こっちのほうが可愛いんだもん。」
そういいながらあっかんべーをする。
「カンナ、ママの言うことが聞けないなら、そのお出かけ用の服は、捨ててくるぞ。」
そう実が言うと、カンナは渋々持っていた服を実加に差し出した。
「はぁ。最初からそうしなさいよ。」
そういいながら実加とカンナは二人で自宅に戻ろうとする。
「実加、大丈夫か?」
実は全速力で走ってきた実加が心配でならない。