ドクター2
ガラッ
病室の扉を開けると、天井を眺める実加の姿があった。
「実加、ごめん。
本当に悪かった。
俺、割れた茶碗のこと、全く気付かなかった。
本当に、ごめん。」
「・・・・・・うん。
私には、すごく大切なものなの。
大切な人からもらったお茶碗だったの。
でも、私こそ、意固地になってごめんなさい。」
ベッド際の椅子に腰かけた実を見ながら、実加が謝る。
「ちゃんと、俺の診察は受けろよ。
俺、自分で実加の体を診てやれなくて、今、すごく悔しいんだからな。」
そう言い、実は実加の手を握りしめた。
そして、
チュ
と軽く唇を重ねた。