ドクター2

点滴の終わった美保は、実に連れられてクリニックの隣にある実の自宅に歩いていった。






「ママー、これはここー?」





廊下にカンナの騒がしい声が聞こえた。




「ごめんな、うるさくて。」




美保はその賑やかな声を聞いて、顔がほころんだ。





リビングの扉を開けると、食欲をそそる匂いが廊下に広がった。





「どうぞ。汚くてごめんね。」





そう言って近づいてきたのは実加だった。





遠慮がちにリビングに足を入れた美保に、手を差し伸べて、美保をリビングに入れた。







< 58 / 158 >

この作品をシェア

pagetop