ドクター2
点滴の終わった美保は、実に連れられてクリニックの隣にある実の自宅に歩いていった。
「ママー、これはここー?」
廊下にカンナの騒がしい声が聞こえた。
「ごめんな、うるさくて。」
美保はその賑やかな声を聞いて、顔がほころんだ。
リビングの扉を開けると、食欲をそそる匂いが廊下に広がった。
「どうぞ。汚くてごめんね。」
そう言って近づいてきたのは実加だった。
遠慮がちにリビングに足を入れた美保に、手を差し伸べて、美保をリビングに入れた。