ドクター2
「帰るときも顔色が悪かったから、心配。」
診察の時にはそんなことなかった。
「ちょっと心配だな。
食事も大丈夫かな・・・・・・。」
実が眉間にしわを寄せる。
「あっ、あのさっ!!!
私、澤井さんの食事届けようか?」
「えっ?」
実は実加の言葉に驚いた。
そんなこと考えつきもしなかった。
「そうじゃな。
今はあまりないことじゃが、昔なんかは、食事の摂れない患者は、わざわざここに来てもらって、わしが食事を作ったもんじゃ。」
「う~ん。今の時代、そんなことしていいのかな?」
実はさらに頭を悩ませた。
すると、
「いーじゃん。
だって入院してる患者さんは、病院が考えたご飯を出してるんでしょー?
それと同じじゃない?」
突然、カンナが会話に加わった。
院長も実も実加も、カンナのなかなか道理の通った発言に感心した。