ドクター2
「いただきます。」
次郎は手を合わせると箸を手にした。
「澤井さん、お久しぶりですね。」
「えぇ、あの節はお世話になりました。」
「お加減はどうですか?」
「あの時に比べ、歳も取りました。
何をしても体は言うことを効きませんね。」
「私も同じです。」
「ただいまぁ~」
院長と次郎との会話の途中に、大きな声でリビングに入ってきたのはカンナ。
小学校低学年、中学年は午前中だけの授業の日には、お昼ご飯はない。
「カンナぁ、手を洗ってうがいしてからご飯よ。」
実加がカンナに声をかけた。
「はいはぁい。」
カンナは半ば面倒臭そうに言いながら洗面所へ向かった。