ドクター2
「あ、あの・・・・・・」
どんどんと近付いてくる男の子に、私は驚いて言葉が出てこない。
「こんにちは。」
「こ、こんにちは。」
色白の割にはっきりと喋る子なんだ。
「ここに、入院してるの?」
そんなことしか言葉が出てこない。
パジャマ着てたらそうに決まってるのにぃ!
私、馬鹿じゃないのー!
「そうだよ。
君は?」
意外とスルーされてる。
「私は、少し前にここを怪我しちゃったから、今日は抜糸にきたの。」
「そうなんだ。
僕、要(かなめ)っていうんだ。
小学4年。君は?」
「え?私?私は、斉藤カンナ。私も小4!」
「よろしく。」
そういって要くんは、私に握手した。
男の子に手を握られるのは、初めて。
学校では、子供みたいな男の子ばっかで、こんなに大人びた子は、初めて。
私は自分の顔が真っ赤になってると思った。
「要くんは、いつまで入院するの?」
「わかんない。
小児科に入院してるから、遊びにきてよ。」
「うん!ありがとう!」
そういうと要くんは、私から離れて行った。