スロウ・スノウ
らしくない。
ここまで他人のことを気にするのはとても私らしくない。
けど。
彼女の思いに気がついているのに春瀬との、この、ぬるま湯のように曖昧な交流を続けるのはどうかと思う自分がいるのも確かで。
まあ、春瀬とのこの交流もやめようと思えば簡単にやめられる。
私が、図書室に来なければいい。
それだけ。
互いの学年と名前くらいしか知らない私たち。
図書室というこの場所だけが、私と春瀬の世界の全てだから。
なのに、すぐに実行できず
“彼にもうここに来ないと告げてから”
と、しり込みする辺り、私はそれなりにこの交流を気に入っていたのかもしれない。
なんて。