スロウ・スノウ

*3
















作者のあとがきを一字一句、逃すのを恐れるかのように丁寧に目でなぞった私は、本をゆっくりと閉じた。



読み終えた。






窓の外はすっかり薄暗くなっている。


触れれば肌にまとわり付きそうな、そんな薄暗さ。




風景の中の“時間”はまだ動きそうもない。



その空気はきっと、痛いほどに冷たいのだろう。

図書室の、ぼんやりとした暖かな空気とは真逆。








「先輩。読み終わったんですか?」


「うん。」



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