スロウ・スノウ
彼の肩越しに見える、外の景色。
大粒の雪の欠片が、静かにゆっくりと落ちてゆく。
やっと動きはじめた外の風景の“時間”。
私と、春瀬の関係も、きっとこれからゆっくりと動き出していくのだろう。
2、3日後には溶けてなくなってしまう、初雪。
そして間もなくすると、再び雪が降り、今度はそれが根雪となって、世界は白一色になる。
けれど、春が近づいて来るうちに、雪はだんだんと姿を消していく。
世界が色とりどりに染まる。
その後に、今度は新緑が照り映える季節になる。
そうやって、季節は私の人生のなかで何度もめぐる。