愛の歌、あるいは僕だけの星

 恋とは、学園のマドンナに好きな男のリコーダーを舐めさせるくらい身勝手で直情的なもの。というのは、さすがに極論だろうけど。
 恋をしていると、それくらい盲目になるらしい。ライバルを蹴落とし、相手を渇望し、みっともなく泣き叫んで、一緒にいたいと願い、苦しみ、時間をたくさんかけたりする。……それは、銀也がこれまでに観た恋愛ドラマからの知識だけれど。

 やっぱり、そんな感情を、銀也は未だ知らないでいる。
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