愛の歌、あるいは僕だけの星
「あは、うあっ、あははっ、やめ、やめて、ごめん!悪かったから!」
悶え苦しむ銀也を、どこか楽し気に見下ろす如月は、幽霊というかもはや悪魔である。息も絶え絶えの銀也に満足そうに胸をはる。
『参ったか』
「参りました……、如月さま……」
『ならば、許す。ていうか、藤原君、まじで関心はテレビにしかないわけ?それでいいの?君の青春!』
「ほっとけ!ていうか、テレビ以外にもあるし」
『え、何々?』
「……料理」
『それでこそ、我が一番弟子!これからも、色んなレシピ作っていこうね!……じゃなくてさあ』
「すごい、如月のノリつっこみ」
ぱちぱちと手をたたく銀也に、憮然とした顔をする如月。透けている彼女だから、太陽の光は遮られることなく倒れ込んだままの自分に届く。