愛の歌、あるいは僕だけの星
女の子の告白は、やっぱりうまくは行かなかったみたいだ。大きな瞳いっぱいに涙を浮かべて銀也を見上げている。素っ気なく、またいつものように、好意を真っ向から否定するような、辛辣な言葉でも吐き捨てたんじゃないだろうな。出会った頃の銀也の様子を思い浮かべ、夏は小さく眉を寄せる。
「……興味、ないわけでもないんだけどね」
不意に、レンゲがそんなことを呟く。三原は、意外そうに視線をレンゲへと向けた。
「だって藤原……、最近ちょっと雰囲気変わったから」
人間観察が趣味なの。そう言って笑うレンゲに促されるように、そっと夏も窓から見下ろす。
女の子は、確かに泣いていた。悲しそうに、残念そうに、けれど告白を終えてほっとしたのか、泣き笑いの表情で微笑んでいる。そうして、ぺこりと銀也に向かって頭を下げ、その場を後にした。