愛の歌、あるいは僕だけの星
そして。
「私、藤原君のことが好きです。付き合ってもらえませんか」
凛とした声音で、はっきりとそう言った。先ほどまでの、消え入りそうな様子はどこへやら。緊張と熱にうるんだ瞳は、それでも真っ直ぐに銀也を見上げていた。
付き合うとか、今は全然興味ないからごめんね。
いつも真正面から切って捨てる自分への好意。さっと短い言葉で拒絶をして、立ち去ればいいだけ。それなのに。
「どうして、俺なんか……」
口をついて出たのは、そんな言葉だった。銀也は、自分でも意外だったのか思わず口元に手をやる。彼女は、少しだけ言いあぐねた後、小さく頷いた。
「はじめは、やっぱりかっこいいなって思って。自然と目で追うようになってました。そのうちたまに委員の仕事を一緒にして、少しだけ近くにいられるようになって、それだけで凄く嬉しかった」
はにかむように笑う彼女をじっと見つめる。彼女は照れたようにそっと頬をかいて、言った。