愛の歌、あるいは僕だけの星
どすっと、脇腹に久しぶりの衝撃を受けてよろめいてしまう。手を地面について、慌てて立ち上がる。それにならって、夏をゆっくりと腰を上げた。
『あたし、こうやって銀也のところに居候させてもらってるけど、それで別に、いちいち銀也の行動を監視しようだなんて思ってないよ。咎める権利なんてないし。……まあ、あんたが悪いなって思ったらひっぱたくかもしれないけど』
「いや、手は出すなよ」
『けど、あの時の銀也は、何も間違ってなかったと思う。なんか、よくわからないけど……、最近、なんだか銀也変わったもん』
「変わった……、か。それ、告ってきた子も言ってたな」
『レンゲもね、言ってたの。レンゲって、人間観察が趣味で、いろんな人のこと良く見てるんだよね』
「何それ、怖っ」
小さく顔をしかめながら、砂のついた手を払う。
自分が、変わった?そんなつもりは全然ないのに。けれど、すこしだけ不安になる。もしかして、さっきの不可解で衝動的な感情も、その変化が原因ではないだろうか。