愛の歌、あるいは僕だけの星

 笑いながら、銀也は心の中で思う。
 ねえ、夏。この感情が何なのか、夏には分かる?酷く、苦しい。焦りと、押しつぶされそうな不安と、でも時折、感じたことのなかった、何だかあたたかなものが、心臓の、もっとずっと奥のほうからわき上がるもの。

 だめだ、やっぱり、こんなバカなこと聞けるわけがない。

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