愛の歌、あるいは僕だけの星
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そうして興味を持った藤原銀也に近づくための方法を、亜矢子は自ら持つツテをいくつか利用しようと考えていたけれど。まさか自分が彼の学校に転校することになって、さらに同じクラスだと知った時はさすがに驚いた。そして、らしくもなく運命かもしれないなと本気で思いもした。
焦ってはダメだ。少しずつ、少しずつ、内側に入れてもらえるよう最新の注意を払わなければ。接触するまでの短い間で、色々とパターンを考えていた。実際、彼と付き合ったことのある女の子と仲良くしてみたり、彼の傍で媚びへつらっていた男の子と接触してみたりもして情報だって集めた。
けれど、会った瞬間、酷くショックを受けた。あの瞳は、どうしたのと叫びたかった。全てを見下し否定するような、冷たい瞳はどこへやってしまったの。そう、思わず胸ぐらをつかんで言ってやりたかった。