愛の歌、あるいは僕だけの星

 彼女達は、そう言い捨ててその場から去っていった。足音が聞こえなくなったのを確認して、痛む身体を押さえながらゆっくりと起きあがる。

「痛っ……。ふざけんなよ、あのブス共」

 口内を切ってしまったらしく、ぺっと血液を吐き出す。制服についた汚れをぱたぱたと払う。そして、校舎の一角に向かって歩き出した。
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