愛の歌、あるいは僕だけの星

 言われたとおり、ソファに座って押し黙ったまま俯く三原に、持っていた薄手のタオルを水に濡らし彼女へ手渡した。これから、どうしたものかと溜息をつく。

「顔、冷やしときな」

 三原は、小さく顔を上げるものの、すぐに俯いてしまう。仕方なしに、彼女からタオルをとり、そのまま彼女の頬にタオルを当て、「ここ、押さえとけよ」と言って、三原の手をとり同じように添えた。

「ありがとう……」

「別に。ていうか、三原さん、紅茶飲める?」

「うん、好きだよ」

 その言葉にうなずいて、先ほど冷蔵庫から出したガラスポットから、グラスふたつにそれぞれアイスティーを注ぐ。氷をみっつ入れ、三原の分にだけストローを挿したグラスをさしだした。

 おずおずと、三原はストローに口をつけたものの、喉が乾いていたのか、そのまま一気に飲み干した。
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