愛の歌、あるいは僕だけの星

「……委員長だからって、余計なお節介焼くな。俺は三原さんと何の関係もないし、そもそも他人が興味本位で立ち入ってくるのが一番うざいんだけど」

 ばんと、藤原が机をたたいた。いきなりの大きな音に、思わずレンゲの肩が揺れる。ここまで、感情的な藤原を見たことがなかったから素直に驚いた。そして、怖いとも思う。ゆっくりと立ち上がって、そのままレンゲを見下ろした。恐ろしいほど整った顔は、怒りを滲ませるとそれだけで迫力がある。

「人間観察が趣味なんだろ?すぐ分かるでしょ。どうせ、女の子達にしばかれたんだって」

「……なんで私のそんな趣味知ってんのよ」

 しまった、みたいな顔を藤原は一瞬したけど、すぐに「誰かが言ってた」と口にする。亜矢子だろうか。確かに、いつかああいう目に合うだろうことは想像出来た。だから、今日だって止めたのだ。亜矢子は、不必要に藤原に近づきすぎる。ただでさえ、嫉妬を買いやすい容姿をしているせいもあって、目立ってしまうのに。
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