愛の歌、あるいは僕だけの星

 他人に、こうやって怒鳴られることなんて正直初めてで、驚きに目を瞬かせる。ゴッツのことはしょっちゅう怒らせていたけれど、こんな風に叱られたことは今まで一度どもなかった。

「……俺が、イラついてあいつら殴り飛ばしたって言いたいわけ?そんな適当なこと言うんだ。教師のくせに」

 コーヒーに口をつけながら言った。

「藤原、お前、最近変わったって言われないか?」

 ぴたりと、銀也の動作がとまる。

「ゴッツまで、そんなこと言うのか。もううんざりだ。変わってない。今までと同じ……」

「今まで、お前、こんな怒鳴られるようなこと、やらかしたりしたか」

 それに対して、銀也は何も答えなかった。そんな銀也を見て、ゴッツはふうと息を吐く。

「受け止めるのが怖いか?」

「は?」

「その変化を、受け止めるのが恐ろしいか」

 顔を上げた銀也から、一切の表情が消えていた。
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