愛の歌、あるいは僕だけの星
「変だな……、昔は、真っ暗で当たり前だったのに」
それをむしろ望んでいた。
自分自身が闇ならば、恐れるものなんて何もない。それなのに。
ぎゅうと目をつむる。一向に眠気は訪れない。何度も何度も寝返りを打ちながら、すこしだけうとうとして、結局朝を迎えてしまった。
うっすらと隈の出来た目元をこすりながら台所へと向かう。カップラーメンの器が山積みになっているのをチラと見ながら、水道水をコップ一杯飲み干した。
カーテンを少しだけ開ければ、眩しい太陽の光が僅かな隙間から勢いよく差し込んでくる。その瞬間、目を焼くような鈍い痛みに慌てて閉じた。
「ドラキュラかっての」
床に座って、テレビをつけた。
このまま、光に溶けてほんとうに消えてしまえればいいのに。そんな馬鹿みたいなことを割と本気で思ってしまう。