愛の歌、あるいは僕だけの星

『銀也……、会いに来てくれたの?』

 布団の外で、夏の声が聞こえる。
 観念してゆっくりと起きあがった。まだ、少し頭がくらくらとする。

 心配そうに銀也の様子を見た瞬間、思った。なんだ、誤魔化す必要なんてないじゃないか。素直に、そう感じた。

「ちょっと、気になって」

『ばっかじゃないの』

「はあっ!?」

 あんまりな言葉に、思わず声を上げる。あろうことか、夏は腕を組んで、不機嫌そうに眉を寄せて銀也を睨みつけてくる。

「おまえ、こんなイケメンがわざわざ会いに来てやったんだぞ!もう少し感動でもなんでも……」

『別に、頼んでないもん』

「かわいくねーの」

『だって……、帰るって言ったじゃん。信じて待っててよ』

「待ったよ。……五日も」
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