愛の歌、あるいは僕だけの星

「身体、大切にしてね?」

「はい。本当に、ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます」

「いいのよ。また、夏に会いに来てね」

 悲しみが滲む表情で、夏の母が言った。その後ろに、夏の姿がある。ゆっくりと銀也の方へ歩む。自分の母をスッとすり抜けて、銀也の隣へと並んだ。

『お母さん、お父さん。ありがとう。鈴と子猫たちのこと、よろしくね。いってきます』

 にこりと笑って手を振る夏の両親に頭を下げ、そのまま夏の実家を後にした。
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