愛の歌、あるいは僕だけの星
「あんまりうざかったら、まじで塩で結界つくって家に入れないようにしてやるからな」
『それ、藤原君みたいな素人がやっても多分意味ないと思うけど』
「うっさい!」
苛々して、ベッドに勢いよく腰掛けて、リモコンでチャンネルを変える。すると、真横で如月が『あっ!』と大きな声を上げた。
『ちょっと!あたし、この後見たいドラマがあるんだけど!勝手にチャンネル変えないでよね!!』
「俺だってこの後見たい番組があるんですー」
『ひっどい、最低!女タラシ!』
「関係ねーだろ、それ!幽霊にチャンネル権があると思ったら大間違いだぜ」
『きーっ!いいじゃん!お情けくれたって!!幽霊にも尊厳を!』
本気で怒っている如月を見ていたら、無性におかしくなって、笑いがこみ上げてくる。
「あっはは……!なんだそれ、馬鹿じゃねえの」