愛の歌、あるいは僕だけの星
「えっ、銀也君も手伝ってくれるの!?」
そばにいた、夕食担当だった実行委員の女の子が驚いたように声をあげる。どうしたどうしたと、変に注目を浴びてしまうのが居たたまれず、無言のまま包丁を扱う。
「すごい、手際いいのね」
『鶏肉の下拵えまでしてくれているから、後はちゃっと中身につめるピラフを作っちゃおう』
この人数分だとさすがに時間がかかるから、そばにいた三原と神谷、そして蒼井に手伝いを頼む。残りのメンバーはそれぞれ指示の元、ピザの生地作りと具材準備、串焼きの下拵えを始めた。
「藤原って、料理まで出来ちゃうんだ……。ほんと嫌みなやつ」
神谷が、無心で大量の具材の下準備を行っていた銀也の隣に立つ。「これ切るね」と言って、近くで同じように包丁を動かし始めた。
「最近始めたから、まだそんなレパートリーはないんだけどね」
「……それ、彼女に言ったら自信喪失させるからやめときなよ」