愛の歌、あるいは僕だけの星

 ***

 暫くして戻ってきた蒼井と、夏と一緒にのんびりと部屋で過ごしていた。窓を開けておけば、夜風が涼しくクーラーも必要ないくらいだった。

『避暑地って、贅沢だよね』

 夏が笑っていうのに、銀也は口元を緩めてうなずいた。

「会長」

「なあ、前から思ってたんだけど、別に敬語とか使わなくていいし、名前呼び捨てにしてくれていいよ? 俺たち、同い年だろ」

 堅っ苦しいにもほどがあるし、会社でもないのに会長なんて呼ばれるのも恥ずかしい。

「だめです。これはケジメですから」

「……ケジメね」

「生徒総会を無事に終えたら、そのときは名前で呼ばせてもらいますね」

「楽しみにしてる。それまでは、あだ名とでも思うことにするわ」

 肩を竦めながら、そばにあったリモコンでテレビをつける。かちかちとチャンネルをまわすも、あまりぱっとした番組もない。
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