愛の歌、あるいは僕だけの星
「ねえ、夏。見ててくれた?」
『もちろん。見てたよ、レンゲ』
「私、頑張ろうと思う。夏は、ずっと私のことを応援してくれてたよね。いっぱい喧嘩して、私、すごくひどいことを言って、あんたのことを泣かせちゃったのに。最後まで、諦めないでって……、そう、言ってたよね」
神谷の声が涙で滲んだ。強がりで、優しくて、本当は誰よりも繊細な神谷のことが心配で、いつも無理矢理、そばにいた。
『うん、言ったよ。レンゲ、諦めなかったね。すごいよ、さすが、あたしの自慢の親友』
聞こえなくても、届かなくても、大好きで大切な親友に伝える。神谷の顔を見て、ずきりと胸が痛い。
「いつも、私の話を聞いてくれたじゃない。いつだって、そばにいてくれたじゃない。この場所に、また三人で来たいねって、そう言って一緒に笑い合ったのに。なのに、どうして……」
空を睨みつけるように見上げる彼女の双眸から、まるで流れ星のように大粒の涙が、はらはらと落ちる。
「どうして、死んじゃったの」
『……ごめんね、レンゲ』