愛の歌、あるいは僕だけの星
「夏が現れただけで、どうしてこんなにも自分が振りまわされなきゃなんないのか、ずっと不思議だったけど、それも違った」
『……っ』
「夏だったから、今の俺があるんだよ。もし、あの部屋に現れたのが夏じゃなかったら……、俺は絶対に今でも変わってない」
夏の瞳が、銀也をうつして揺れる。
『あたし、もう死んでるよ』
「なにを今さら」
『美人でも、可愛くもないし』
「それも今さらだな」
思わず、くすりと笑えば夏がぷうっと頬を膨らました。
『別に、面白い話が出来るわけでもないよ』
「それはお互いさまだし、夏と一緒にいると楽しい」
『いつ消えるかも、わからない』