愛の歌、あるいは僕だけの星

『思い出した気持ちは、銀也と一緒に過ごして生まれたものと同じだったよ』

 銀也は、その言葉にゆっくりと目を見開く。

『死んでから、もう一度銀也のこと、好きになったの』

 その言葉に息を呑んだ。
 とくんと、心臓が柔らかなリズムを刻む。それを指先から、全身に感じることが出来る。

 好き。
 その言葉を、いままで何度も囁かれてきた。それは嬉しいものではなくて、むしろ鬱陶しくて得体のしれないものだった。何より、自分が人を好きになることがなかったから、その気持ちを理解することも出来なかった。

 好きだとか、愛してるだとか、そんなものを信じられなかった。そんな、臆病だった自分をゆっくりと回想する。

「それ、ほんと?」

『嘘つくわけ、ないじゃん』

「ほんとに、絶対?」

『本当だってば。絶対に、本当』

「……だって、俺なんかを、誰かが特別に思ってくれることがあるなんて、何より一番信じられないんだ」

『信じてくれないの?』
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