愛の歌、あるいは僕だけの星
『あたしは、やっぱり羨ましいな。藤原君が。あたしは、もっと色々な人と関わりたかった。こんな風に他愛ない話でも、たくさんしたかったな』
「……ふうん」
銀也には、如月の気持ちなんて少しも分からなかったから、とりあえず相槌だけを返す。貪欲になれって?欲しいものなんて何ひとつないのに、これ以上何を望めばいいというのだろう。
考えたけれど、結局答えが見つかるはずもなく、顔を背けるように視線をテレビへと戻した。自分みたいな人間を羨ましいだなんて、如月の考えていることはやっぱり理解出来ないと銀也は思った。