愛の歌、あるいは僕だけの星
『不思議だよね。そんな希薄な関係だったのに、死んだ後にさ、なぜだか藤原君と一緒に暮らすことになるなんて』
「……そうだな、確かに。その通りだ」
おかしな、気分だった。
如月の、他愛ない言葉がじわりと、妙に不思議な実感と共に心に沈む。
『あら、素直じゃん』
ずっと、パソコンの文字ばかりを追っていた所為だろうか、頭の中が靄がかったようにぼんやりとする。不意に、思ったのだ。ああ、残念だと。もう少し早く、彼女が生きている時にもっと、如月のことを知りたかったと。なんて、自分らしくもない。如月も、まさか銀也がそんなことを思っているだなんて気づかないだろう。
(……気づかなかったことにしよう、俺も)
久しぶりに、真面目に仕事をしたから疲れただけだ。