愛の歌、あるいは僕だけの星
『あ、見てみて藤原君!』
「なに?UFOでもいた?」
『……信じてないくせに、そーいうおちょくるようなこと言わないで』
「いや、わかんねえよ。何しろ、幽霊がいるんだから。もしかしたら宇宙人だってまだ出会ったことがないだけで、実はいるんじゃないかって最近思い直した」
ぐう、と腹が鳴った。
そういえば、昼に菓子パンをふたつ食べたきりだ。
『ていうかそんなんじゃなくて、今!流れ星一個発見!!』
如月が、満面の笑みで銀也を見上げた。
「星ぃ?」
(……そんな、腹の足しにもならないもの……)
如月の横から同じように空を見上げる。
けれど、そばの外灯の光がじゃまをしてあまりきれいには見えない。こんなんでよく流れ星なんて見つけたな。ちらりと如月を見れば、もう一個見つけてやろうと、せわしなく視線を動かしていた。
「屋上、行く?」
『……え?』
「ここだと、前の外灯が邪魔だろ。屋上なら、空一面見渡せるから流れ星も見つけ易いんじゃないの」