愛の歌、あるいは僕だけの星
「おい、如月ー!はしゃぐのもいいけど、パンツ見えてるぜ!白ー!!」
給水棟の上でぎょっとした表情をする如月は、そのまま銀也に向かって飛び降りて、もの凄い勢いでタックルをかましてきた。あまりの衝撃にそのまま倒れ込んだ銀也に、如月が眉を吊り上げた。
『最っ低ー!あほ!デリカシーゼロ!!』
「いやいや、最低はお前だろ!ボケ!!何すんだよ!」
『パンツ見えたからっていちいち報告すんな!色とか余計だっつーの!』
「そういうお前こそ、女の子が大股で梯子のぼったりするな!」
ぽかぽかと銀也をたたく如月の両手を、なんとかとめようと手を伸ばす。けれどそれは、何を掴むでもなくスッとすり抜けてしまう。当たり前だ。当たり前なのに。
「……っ」
『ふふふ、残念でした。藤原君にあたしの攻撃を防御する手立てはありませーん。それに、あたしに触れることだって出来ませーん』