愛の歌、あるいは僕だけの星
薄明の消失点
「……んう」
(眩しい……、そろそろ遮光カーテン買った方がいいかも。ていうか、腰痛い……)
寝返りを打ちながら、ごしごしと目をこする。寝ぼけ眼で辺りを見渡せば、いつもの朝とは違った風景に一瞬戸惑う。そして、ぼんやりと昨日の夜の事が頭に浮かんだ。
「ああ、そうだった」
珍しく生徒会の業務を頑張ってみたところ、うっかり学校に閉じこめられたあげく、生徒会室のソファで夜を過ごしたことを思い出した。どうやら寝違えたようで、首筋も痛い。
「如月……、いる?」
「会長、何言ってるんですか?如月さんは、こないだ亡くなったばかりでしょう」
「わっ!なんだよ、蒼井!!なんでいるんだよ!」
「それはこっちの台詞です。午前中の授業サボって、こんなところで何やってたんですか。先生が、藤原は無断欠席かって怒ってましたよ」
「……うわ、やば。ていうか、今何時?」
「もうすぐ昼休みが終わります」
(ていうか、如月のやつどこへ行ったんだ。起こしてくれるくらい、してくれたっていいのに)
それとなく、辺りを見回してみても彼女の姿が見えないことに、小さく腹を立てる。