愛の歌、あるいは僕だけの星
あからさまに不機嫌そうな声を出し、銀也の首筋に吸いつく。咄嗟にあらわれたそれは独占欲だった。キスマークをつけてやろうとしたのに、すぐに銀也によって痕がつく前に拒まれてしまった。
むうっと唇をとがらせる。
「もしかして、その用事って女?」
「ンー……(まあ、そうなるのか、一応)」
首を傾げながら大した返答も出来ずにいれば、明らかに気分を損ねた雰囲気を出して声を上げた。
「即答出来ないじゃん!やだよ!これから違う女のところに行くなんて、絶対許せないから」
「ふはっ、なにそれ」
駄々をこねる彼女に、銀也は小さく吹き出した。
すっと、身体の中を冷たいものが伝い落ちるのを感じて銀也はそのままゆっくりと起きあがり、彼女から距離をとる。