この恋は、風邪みたいなものでして。
「いい加減、止まっていた経営の方の話し合いも解決させないと君のレストランの店長も五月蝿いし怖いしね。そっちも今から無理矢理解決してくるか」
「店長……」
店長の言葉に、ぶわっと不安が広がる。
今、――今、さりげなく颯真さんは私を好きだって言ってくれたけど、それって気のせいかなって空耳かなって全力で聞こえないふりしようと思った。
だって、颯真さんには店長が――。
「急に顔色が悪くなったけど大丈夫?」
「颯真さんの本当の婚約者は、うちの店長ですよね?」