この恋は、風邪みたいなものでして。
「そうね。しちゃおうかしら」
クスクスと笑いながらも、店長は仕事を終え、次は内装チェックを始めた。
私も急いで、テーブルの消毒と清掃に回る。
颯真さんは店長の事をどんな人か知っていたから信頼してこの店に引き抜いたり、仕事の相談をしたりしてたのかもしれない。
……ああ。
まだ夢みたいで、胸のドキドキは収まっていない。
恋人と言う位置になったけど、このドキドキに免疫は付くのだろか。
幾ら経験しても、颯真さんの言動に私は一生ときめいていそうな気がする。
「終わりました!」
「じゃあ予約の確認と、予約席のテーブルもチェックしておいてね」
「はい」
時計を見れば、ランチビュッフェ開始の11時30分までもう時間がない。
混む時間帯を避けて一番初めに来ようとするお客様は既に廊下の椅子に座って待っている。
辺りを見渡し、自分の担当の仕事は全て終えていた。
菊池さんの担当の手伝いをしつつ話を聞こうかと探していると、店長が隣にやってきた。