この恋は、風邪みたいなものでして。



それから――。
颯真さんは送ってくれたその日に、私の親に挨拶をし直してくれた。
うちの父も母も、颯真さんに文句はある筈はないが、逆に私で大丈夫なのかうろたえていた。

そこでも颯真さんは聞いているこっちが恥ずかしくなるような言葉で私への聞い持ちを並べて、親を説得してくれて、嬉しかった。
けど、隣で始終私は居たたまれなく変な汗をかいてしまっていた。

そこで一緒にパンフレットのヤス君のお墓を見てくれて。
49日は一緒に来てくれると言ってくれて嬉しくて、またポロポロと泣いてしまった。
ヤス君が、自分が居なくなっても私が寂しくないようにと颯真さんとの縁を繋げてくれていたのかもしれないと、切ないのに嬉しくて、泣いたり笑ったり忙しい。

それでも私が今、こうして幸せなのは二人のお陰だ。

私も、私が居るから幸せだったとヤス君に思って貰えたか後悔は尽きないけれど、颯真さんにはそう思ってもらえるように頑張ろうと誓った。

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