この恋は、風邪みたいなものでして。

「わかば、それでいい?」

「え、あ、はい!?」

6か月間を走馬灯のように思い出していあたら、思いつめた顔の颯真さんが、眉を更に顰めた。

「聞いていなかったね」
「すいません」

「疲れてるだろ。連日の準備に、無理なダイエット。うん。今日はもう仕事は無理しないように」

無理なダイエットって、ちゃんと三食食べてるのに。

「じゃあ、この装飾品は買い取りってことでいいよね?」

「ぎゃっ 買い取とか絶対駄目です!」

びっくりした。
ぼーっとして、颯真さんに全て決めさせてしまったら、とんでもない身分不相応な結婚式になっちゃう。

オーベルジュの初ウエディングが私たちなので多少の注目は覚悟するけど、無駄使いだけは何とか踏みとどまらせよう。


ナイスタイミングで、私と颯真さんのお母さん達も来てくれて、二人も説得してくれたので無事にレンタルになったのは安心した。



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