この恋は、風邪みたいなものでして。
な、なるほど。
確かに、昨日、最上階の小説家へ会いに行っていた様子からしても、恋人説、有力だ。
「ウエルカムドリンクです」
「あら、貴方」
私になんて気にも止めないと思っていたのに、茜さんは私をじろじろと見る。
「ど、どうされました?」
「昨日、颯真が飛び出して追いかけていった子、よね?」
え?
「従業員なのに私服だからおかしいなって思ってたのよね。私が貴方と擦れ違った話をしたら、部屋から飛び出しちゃうのよ。貴方、なんなの?」
サングラスの下の瞳が見えず、ぐいぐいと顔を近づけられて、私も数歩下がってしまう。
昨日、あの最上階に颯真さんも居たってことかな?
小説家と噂がある茜さんが、なんで颯真さんと私について言及してくるのか分からないんだけども。
「すみません。ドリンクを受け取ったら中へ進んで頂けますでしょうか。後ろが混雑します」
菊池さんがにこやかに間に入ってくれる。
茜さんも後ろを振り返って、ふんっとそっぽを向くと中へ入ってしまった。
確かに、昨日、最上階の小説家へ会いに行っていた様子からしても、恋人説、有力だ。
「ウエルカムドリンクです」
「あら、貴方」
私になんて気にも止めないと思っていたのに、茜さんは私をじろじろと見る。
「ど、どうされました?」
「昨日、颯真が飛び出して追いかけていった子、よね?」
え?
「従業員なのに私服だからおかしいなって思ってたのよね。私が貴方と擦れ違った話をしたら、部屋から飛び出しちゃうのよ。貴方、なんなの?」
サングラスの下の瞳が見えず、ぐいぐいと顔を近づけられて、私も数歩下がってしまう。
昨日、あの最上階に颯真さんも居たってことかな?
小説家と噂がある茜さんが、なんで颯真さんと私について言及してくるのか分からないんだけども。
「すみません。ドリンクを受け取ったら中へ進んで頂けますでしょうか。後ろが混雑します」
菊池さんがにこやかに間に入ってくれる。
茜さんも後ろを振り返って、ふんっとそっぽを向くと中へ入ってしまった。