自殺 ~飛べないカラス~
ぺらぺらと話す目の前の人物に、私は思わずぽかんと口を開けていた。よくもまあ……そんなふうにぺらぺらと話せるものだ。逆に感心する。
私が何かしら話さなくてもいいという点においては、この会話……と呼んでいいのか、それは一応、成立しているらしい。まあ、何も話さなくてもいいのは楽ではあるけれど。
「──つまり、何が言いたいのかというと、結局のところ人間が人間だと確証するものは、何もないということ」
そう……なのかな。
妖怪の人の顔をした犬や花を人面犬や人面花と呼ぶことを考えると、“人間”=“顔”で判断……することも出来るけれど。
一般的とされる“人間の顔”は目や耳や鼻の穴が2つずつ、口が1つあって……と、そういう見方をするのなら、人間以外の動物だって同じ数の顔のパーツがあって……。
何を基準に、私たちは“人間の顔”と“人間以外の顔”と判断しているのだろう。
二重や垂れ目、鼻に筋が通っていたり黒子があったり……などといったそれぞれの形があることを考えれば、顔のパーツの“形”は関係ないはず。“色”だってそう。
……って、なに毒されているんだか。考えたって仕方がないし、私には関係のないことなのだから、聞き流さなくちゃ。耳障りだ。
私が何かしら話さなくてもいいという点においては、この会話……と呼んでいいのか、それは一応、成立しているらしい。まあ、何も話さなくてもいいのは楽ではあるけれど。
「──つまり、何が言いたいのかというと、結局のところ人間が人間だと確証するものは、何もないということ」
そう……なのかな。
妖怪の人の顔をした犬や花を人面犬や人面花と呼ぶことを考えると、“人間”=“顔”で判断……することも出来るけれど。
一般的とされる“人間の顔”は目や耳や鼻の穴が2つずつ、口が1つあって……と、そういう見方をするのなら、人間以外の動物だって同じ数の顔のパーツがあって……。
何を基準に、私たちは“人間の顔”と“人間以外の顔”と判断しているのだろう。
二重や垂れ目、鼻に筋が通っていたり黒子があったり……などといったそれぞれの形があることを考えれば、顔のパーツの“形”は関係ないはず。“色”だってそう。
……って、なに毒されているんだか。考えたって仕方がないし、私には関係のないことなのだから、聞き流さなくちゃ。耳障りだ。