オークション
「それがね……よくわからないんだよね」


「わからないって、どういう事ですか？」


ここに来てようやくエレナがそう聞いた。


興味が湧いて来たのかもしれない。


「祭は確かにダイエットをすごく頑張ってた。リンゴダイエットや、ココナツダイエット、ジムに通ってた時期もある」


「それじゃぁ、本当に努力してたんですね！？」


エレナの表情が明るくなる。


石澤先輩はオークションなんて参加していない。


その色が濃厚になったからだ。


しかし、神田先輩の話はそれだけじゃ終わらなかった。


「そう、すごく頑張ってた。でも、結果はいつもでなかったんだよ」


寂しそうな顔をしてそう言った神田先輩。


「どういうことですか？」


エレナが首をかしげてそう聞いた。


「祭は本当に太りやすくて痩せにくい体質で、何をしても効果はでなかったんだよね。


ダイエットをして2キロ痩せても、すぐ4キロ増える。そんな事を繰り返してストレスで暴飲暴食に走ってまた太って……。


アイドルになる夢も半分諦めてたんだよね。それがある日学校に来たらすごく綺麗に痩せてて、みんなびっくりしたよ」
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