オークション
選手の足
あたしの恋の相手は才能のある人。
そんな事クラスメートたちには言えないけれど、その日の放課後、あたしは本気でそう考えるようになっていた。
学校が終わる直前に届いたメール。
特別会員様へ。
そう書かれたメールのあたしの心は躍り始めた。
オークションのお知らせだ!!
ざっと目を通してみると、現役を引退したリレー選手の足だという事がわかった。
その瞬間一刻も早く学校から走って会場へと急ぎたい気持ちにかられた。
残りの数分間をじれったい気持ちでやり過ごし、すぐに席を立つ。
「藍那、もう帰るのか?」
後ろから輝夜にそう声をかけられてあたしは一瞬立ち止まった。
「よかったら、これから一緒に遊びに行かないか? 駅の中に新しくできたスイーツ屋がさぁ」
「ごめん」
あたしは輝夜の言葉を遮ってそう言った。
あたしは小学校の頃走ることが大好きだった。
中学校の体育祭のリレーでもアンカーに選ばれるくらい、早かった。
そんなあたしにとって今回のオークションはようやくめぐってきたチャンスと呼べるものなんだ。
そんな事クラスメートたちには言えないけれど、その日の放課後、あたしは本気でそう考えるようになっていた。
学校が終わる直前に届いたメール。
特別会員様へ。
そう書かれたメールのあたしの心は躍り始めた。
オークションのお知らせだ!!
ざっと目を通してみると、現役を引退したリレー選手の足だという事がわかった。
その瞬間一刻も早く学校から走って会場へと急ぎたい気持ちにかられた。
残りの数分間をじれったい気持ちでやり過ごし、すぐに席を立つ。
「藍那、もう帰るのか?」
後ろから輝夜にそう声をかけられてあたしは一瞬立ち止まった。
「よかったら、これから一緒に遊びに行かないか? 駅の中に新しくできたスイーツ屋がさぁ」
「ごめん」
あたしは輝夜の言葉を遮ってそう言った。
あたしは小学校の頃走ることが大好きだった。
中学校の体育祭のリレーでもアンカーに選ばれるくらい、早かった。
そんなあたしにとって今回のオークションはようやくめぐってきたチャンスと呼べるものなんだ。