オークション
異変
学校を休んで一日寝込んでいたあたしは、次の日になってようやく起き出す事ができた。


頭はスッキリしていてまるで今までの出来ごとが嘘だったように感じられる。


ベッドから抜けだして足の付け根を確認すると、すでに縫合痕は綺麗になくなり、傷もどこにも見当たらなかった。


「嘘……」


鏡の前に立ったあたしは思わずそう呟いていた。


足の形も見た所違和感がない。


普通より随分筋肉質だと思っていたけれど、今日になってその感覚も薄れていた。


あたしは本当にオークションで足を落札して交換したんだろうか？


そんな疑問さえ浮かんでくる。


カバンを開けるとそこには書類が入っていて、やっぱりあれは夢ではなかったのだと思い知らされた。


「おはよう」


リビングを開けると出勤前の両親がいて「もう大丈夫なの？」と、声をかけて来た。


「うん。平気」


あたしは笑顔で答える。
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