オークション
画家の手
会場には社長椅子のような座り心地のいい椅子がずらりと並べられていて、みんなそれに座ってモニターを見ていた。
あたしとエレナは後ろの方の開いている椅子に座った。
「なんだか、すごい所だね」
周囲のざわめきにも慣れてきてあたしはそう言った。
「本当……なんだか怖い」
モニターがハッキリと見えるように会場内も暗くなっていて、階段や通路と同じように電球があちこちにぶら下がっているだけだった。
少し離れた場所にいる人の顔はほとんど見えない状態。
見えない顔の人間がこれほどいるというのは、確かに恐怖だった。
「見て、結構仕事の途中の人とかもいるよ」
あたしは目についた白い服の男性を指さしてそう言った。
その男性は料理人なのか、膝の上にはコック帽を握りしめて座っている。
その人だけじゃない。
よく見て見るとあちこちに仕事着のままの人がいる。
「すごいね。仕事の途中でも参加したいくらいのオークションってことだよね?」
エレナはそう言い、周りを見回した。
あたしたちが知らないだけで、本当はすごく有名な画家の絵なのかもしれない。
そう思っていると、モニターに明かりがつき、それと同時に波を打ったように会場内は静かになった。
あたしとエレナは後ろの方の開いている椅子に座った。
「なんだか、すごい所だね」
周囲のざわめきにも慣れてきてあたしはそう言った。
「本当……なんだか怖い」
モニターがハッキリと見えるように会場内も暗くなっていて、階段や通路と同じように電球があちこちにぶら下がっているだけだった。
少し離れた場所にいる人の顔はほとんど見えない状態。
見えない顔の人間がこれほどいるというのは、確かに恐怖だった。
「見て、結構仕事の途中の人とかもいるよ」
あたしは目についた白い服の男性を指さしてそう言った。
その男性は料理人なのか、膝の上にはコック帽を握りしめて座っている。
その人だけじゃない。
よく見て見るとあちこちに仕事着のままの人がいる。
「すごいね。仕事の途中でも参加したいくらいのオークションってことだよね?」
エレナはそう言い、周りを見回した。
あたしたちが知らないだけで、本当はすごく有名な画家の絵なのかもしれない。
そう思っていると、モニターに明かりがつき、それと同時に波を打ったように会場内は静かになった。