オークション
彫刻家の両腕
マンマルマラソンが終わってから数日経過しても、学校内のざわめきは続いていた。
校門前では相変わらず報道陣が集まっていて、クラスメートやあたしと会話したこともない生徒を呼び止めて質問をしていた。
「北川さん、こっち」
担任の先生に呼ばれて、あたしはそっと裏口から身を滑り込ませた。
報道陣が多いので最近はずっと職員用出入り口から入らせてもらっている。
「いつもごめんなさい」
「いいんだよ。北川さんは有名人なんだから」
先生は面倒くさそうな顔1つせずにそう言った。
自分が担任をしているクラスから大物が2人も現れたと言う事で、自信がついているのだろう。
他のクラスメートたちもあたしと藤吉さんの活動に感化され、自分のやりたいことを見つけようとしている子が増えていた。
それはクラスとしてはとてもいい傾向だったけれど、ド素人が急に何かを初めて見てもうまくいくはずがなく、精神力の弱い子はすぐに挫折をしていた。
そんな結果をみながらあたしは心の中で笑っていた。
必死で頑張ってバカみたい。
オークションで買えば才能なんて簡単に手に入る。
自分にとっての向き不向きなんて正直関係ない。
校門前では相変わらず報道陣が集まっていて、クラスメートやあたしと会話したこともない生徒を呼び止めて質問をしていた。
「北川さん、こっち」
担任の先生に呼ばれて、あたしはそっと裏口から身を滑り込ませた。
報道陣が多いので最近はずっと職員用出入り口から入らせてもらっている。
「いつもごめんなさい」
「いいんだよ。北川さんは有名人なんだから」
先生は面倒くさそうな顔1つせずにそう言った。
自分が担任をしているクラスから大物が2人も現れたと言う事で、自信がついているのだろう。
他のクラスメートたちもあたしと藤吉さんの活動に感化され、自分のやりたいことを見つけようとしている子が増えていた。
それはクラスとしてはとてもいい傾向だったけれど、ド素人が急に何かを初めて見てもうまくいくはずがなく、精神力の弱い子はすぐに挫折をしていた。
そんな結果をみながらあたしは心の中で笑っていた。
必死で頑張ってバカみたい。
オークションで買えば才能なんて簡単に手に入る。
自分にとっての向き不向きなんて正直関係ない。