オークション
「メールって……」


「オークションのメール。今日の商品は《ミス日本の顔》だって。なんだかとても面白そうなだよね」


委員長が最後まで言い終わるのを待たずに、あたしは教室へと走って戻ってきていた。


「藍那ちゃん、委員長と何の話だったの?」


そう聞いてくる友人を無視して鞄からスマホを取り出した。


確かに、メールが一件届いている。


あたしはすぐにそれを表示させた。


《特別会員様》


そう書かれたメールにドクンッと心臓が大きく跳ねた。


委員長の言っていた通り、今回の商品は《ミス日本の顔》となっている。


下の方にはその人の顔写真が貼られていた。


胸まである漆黒の黒髪に、白い肌。


和服が似合うとても美しい人だ。


あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。


今まで足や腕を買っていたが、今回のように自分の容姿を変えるとどうなるのだろうか。


そんな好奇心が生まれる。
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