オークション
再び会場へ
二度あることは三度あるという。


あたしがオークションの商品を欲しいと感じたのも、これで3度目だった。


自分が綺麗な外見になったところを想像すると、それだけで口元がゆるんだ。


可愛くなりたい。


綺麗になりたい。


そんな感情は女の子ならきっと誰でも持っている。


女性向け雑誌でダイエットやメイクの特集が絶え間なく掲載されているのを見れば、それは一目瞭然だった。


そしてその思考回路は当然あたしも同じように持っていた。


軽快に走ってショップに到着すると、今ではもう顔なじみになった店員さんが笑顔で出迎えてくれた。


「藍那ちゃん、おはよう」


「田辺さんおはよう!」


お金を稼ぎ始めてからここの服も何着か購入している。


普通にお客さんとしてきた時に何度か話がはずみ、今では名前を呼びあうくらい仲良しになっていた。
< 230 / 274 >

この作品をシェア

pagetop